犬の耳の動きは、どんな気持ちを表しているの?
耳をピンと立てて前に向けているときは集中や緊張、耳が下がっているときは恐怖心や弱気を表しています。耳を振ったり片方だけ下げたりしている時は病気のこともあるので、動物病院を受診しましょう。
動物の耳はとてもよく動きます。音の方向に耳を向けることでよく聞き取るという役割がありますが、相手に気持ちを伝える働きもあります。耳を観察すると、ペットの気持ちが見えてきます。
ピンと立った耳は集中や緊張のサイン
犬の耳は頭に対して外向きで、猫の耳はやや前方に向いています。耳が自然な方向を向いているときはリラックスしているサイン。耳をピンと立てて前に向けているときは集中したり、緊張したりしています。例えば、知らない人が近づいてきたときに耳を立てていたら、緊張のしるしです。
けんかの場面で耳がピンと立っているのは、攻撃的な気持ちと自信のサインです。犬は耳を前に向けてピンと立て、猫は外側に向け高く立てます。犬も猫も高く立っている方が強気で優勢な証拠。
下がっている耳は恐怖心や弱気のサイン
一方、耳が下がっている場合は、怖くて弱気になっています。恐怖心が増すにつれて耳は低くなり、最後は頭に貼り付いたようになります。
けんか以外でも怖いとき、弱気になっているとき、嫌なものから逃れたいという気持ちになっているときなどは耳が下がります。
服従や甘えのポーズの場合も
犬は服従や甘えのポーズとしても耳を下げるしぐさをします。尻尾を振る、おなかを見せる、相手の顔をペロペロとなめようとする、などの服従のしぐさも同時にすることが多いものです。
耳を振る、片方だけ下げるは要注意
耳を振る、耳を片方だけ下げるなどは、外耳炎や中耳炎などの耳の病気のこともあり、注意が必要です。このようなしぐさが見られたときは動物病院を受診しましょう。
獣医師、博士(獣医学)(東京大学)。日本獣医動物行動研究会、獣医神経病学会に所属。 関内どうぶつクリニックで勤務するとともに、複数の動物病院でペットの問題行動治療を行っている。ペットの高齢化に伴い増加している犬と猫の認知症(認知機能不全症候群)の診療に力を入れている。
獣医師、博士(獣医学)(大阪府立大学)。関内どうぶつクリニック代表、動物再生医療センター病院 技術顧問。Team HOPE学術委員長、日本獣医再生医療学会理事。 関内どうぶつクリニックで診療を行い、獣医再生医療の発展に尽くすと同時に、Team HOPEにおいては学術の立場から新しい予防医療を飼い主様にご提供するためのコンテンツ作りのために日夜奮闘中。