ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(29)
初めてペットを選ぶとき

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第29回目が掲載されました。
Team HOPE東北地区委員、DOG&CAT HOSPITAL GALFAR 小泉信輝がお伝えします。

 初めてペットを迎え入れると決めたら、犬にするか猫にするか、小鳥やハムスターなどの小動物にするか、選ばなければなりません。
 犬を選んだ場合は、自身の家族構成や飼育環境を考えてください。1人暮らしで帰宅が遅い方や年配の方で犬の運動量が確保できない場合は、犬のストレスにより無駄ぼえが多くなるなどの問題行動で悩まされるかもしれません。

 集合住宅で飼育する場合は、牧羊犬などほえることが仕事の犬種を選択すると、適切なしつけをしないとトラブルになりかねません。プードルは毛が抜けにくいため室内で飼育しやすいですが、定期的な毛のカットが必要です。そのカット代金は男性の散髪料金より高いでしょう。

 猫を選んだ場合は、犬ほどの大きさや性格のバリエーションはありませんが、おっとりしている長毛種にするか、活動的な短毛種にするか悩むところです。長毛種は毛玉にならないように毎日のブラッシングが必要になります。

 では、どこから迎え入れますか? 多くの方がペットショップを思い浮かべると思いますが、そのほかにも、ブリーダー、動物管理センター、ボランティアが行う「譲渡会」などの方法があります。譲渡会では子犬・子猫だけでなく成犬・成猫も譲渡対象になっていることが多く、年配の方々は、手のかからない落ち着いた成犬・成猫を迎え入れるのも一つの選択肢です。
 環境省によると、動物管理センターの犬猫の返還・譲渡数は年々増加していますが、まだまだ殺処分されている犬猫は多いです。ぜひ譲渡会も選択肢の一つに加えていただければと思います。

(産経新聞 平成29年3月31日付)