暑い時は、猫に冷たい水や食べ物をあげたほうがいいの?
ペットは冷たいものを食べると体調を崩すことがあります。
できるだけ腸と同じ温度、40度前後の食べ物を取り入れるといいでしょう。
ペットの健康のために、飲み物や食べ物は人肌程度に
毎年暑い時期になると、飼い主さんに「うちの子、暑そうなので冷たいものを与えています」と言われる機会が増えます。冷たいものは、ペットの健康のためにいいのでしょうか。
もともと、私たち人間も含めて、犬や猫の食べ物や飲み物の温度は、「人肌程度」がもっとも消化・吸収しやすいといわれています。そして、消化・吸収を行っている腸が最も正常に機能する温度が、人間だと37度前後、犬や猫だと1~3度高いので、40 度前後といわれています。
冷たいものを与えるとペットが病気になる可能性も
そのため、とても冷えた食べ物、飲み物(氷入りの冷たい水やジュースなど)を与えると腸の温度が保てず、腸機能が正常に働かなくなります。場合によっては、消化・吸収ができにくくなるため、おなかを壊してしまい、下痢、嘔吐、食欲低下などが起きてしまう可能性があります。
犬、猫を含めた動物は、もともと生きた獲物を中心に食べて体の温度調整を行ってきたことから、あまり冷たいものではなく、腸の負担が少ない40度前後の飲み物や食べ物が最適かと考えられます。
当然、動物によって個体差はありますので、冷たい物を与えていても胃腸が丈夫な子もいます。ただし、人間も犬や猫も、冷たい食べ物だけではなく、できるだけ腸と同じ40度前後の食べ物を取り入れるようにすれば、健康な生活を送れます。犬、猫の体調管理に気をつけて、これから迎える夏を乗り切っていきましょう。
犬猫の熱中症、どう対策する?
~室内のエアコン・お散歩の疑問から対処法まで~
愛知県瀬戸市出身。 学生時代は野生動物・野鳥観察、カヌースラローム(元国体選手神奈川県代表・北海道代表)をはじめとするアウトドアスポーツ全般に注力。現在動物医療センターもりやま犬と猫の病院を中心に愛知県下にて3病院を運営。また、地域の皆さまに親しまれる動物病院作りを目指しており、選ばれる動物病院になるように日々精進している。