猫の認知症を防ぐにはどうしたらいいの?

猫も高齢になると認知症になるの? 予防はできますか?(ミケ)

猫の場合、犬ほど多くはありませんが、加齢やストレスにより、認知症を発症しやすくなります。
ストレスには環境の変化や身体的なトラブルなどが影響します。
環境の変化には引越や周辺住宅の変化による騒音などがあり、さらに新しい家族(人でも動物でも)が増えることなど、人間が気にも留めないようなことでも、意外にストレスを感じてしまうことが多くあります。
身体のトラブルとしては慢性疾患や慢性疼痛、ホルモン疾患などが影響します。

近年、獣医療の進化とともにペットの高齢化が進んできています。それに伴い、猫の認知症は増加傾向にあります。実際、どのような症状が出たら認知症の疑いがあるのでしょうか。猫の認知症の症状は

猫の認知症のおもな症状

  • 異常な摂食(食欲不振、好みの変化、食欲増進など)
  • 攻撃的になる
  • 神経質のなる
  • 粗相をする(失禁などのある)
  • 破壊行動
  • しつこく鳴く
  • 体を舐める

 7~8歳ころから徐々に発症してきます。昔から犬は人につき、猫は家につくといわれます。猫が高齢になってからの環境変化はできるだけ避けたほうが良いでしょう。症状が進めば、安定剤や鎮静剤、睡眠薬などを使うことになります。猫は犬ほど典型的な症状を呈することはありません。飼い主の方が猫にも認知症があるのだと認識することが大切です。高齢猫になり、いつもと違う行動や仕草があらわれたと感じたら認知症の始まりかもしれないと注意しておくことが、早期発見につながります。

食事で介護のリスクを減らす

認知症は早期発見、早期治療が重要です。100%予防というわけにはいきませんが、毎日の食事に注意することで介護のリスクを減らすことができます。特に積極的に摂取したい栄養素は、サバなどの青魚に多く含まれている脂肪酸のDHA・EPAや、緑黄色野菜に多く含まれるビタミンE・C、β―カロテン、フラボノイドなどです。認知症予防に効果的といわれています。

かわいい愛猫には、少しでも長生きしてもらいたいものですね。認知症予防のために今から食事に気をつけ、サプリメントを試したりしてみてはいかがでしょうか。まずは動物病院に相談してください。

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設問カテゴリ
食事で健康管理高齢期
回答者のプロフィール
Team HOPE北海道地区、北光犬猫病院 院長
立花 徹