猫が肥満かどうか、わかる方法はありますか?
ぽっちゃり体型の猫です。どのくらいだと太り過ぎなのでしょうか。肥満かどうか、わかる方法はありますか?(茶トラ ♀ 7歳)
ペットが肥満かどうかを判断するには、あばら骨や腰の部分への脂肪の付き方をチェックするBCS(ボディー・コンディション・スコア)で調べることができます。ペットの健康のためにチェックを欠かさないようにして、食事や生活習慣にも気を配ってください。
肥満の人の割合が年々増加しています。世界的にみても、その割合はここ20年で2倍になっています。人と同じように、犬や猫なども肥満傾向が目立ってきています。あるイギリスの報告では、肥満傾向にあるペットの割合は、1986年に24%だったのに対し、2000年には50%以上にもなっていました。
ペットの肥満はBCS(ボディー・コンディション・スコア)でチェック!
ペットが肥満かどうかを判断するためには、あばら骨や腰の部分への脂肪の付き方などをチェックするBCS(ボディー・コンディション・スコア)という基準が広く使われています。BCSで肥満と判断されるのは、
- あばら骨が厚い脂肪に覆われており、触ることが困難
- 腰部の脂肪も厚みがあり、骨格を触ることができない
- 体形を横から見ると、腹部が張り出して垂れ下がり、腰のくびれがなくなっている
といった項目を満たしている場合です。
肥満傾向のペットの8割は関節炎にかかっている
ペットに肥満の傾向が見られたら、肥満が原因で発症する病気が多いことを頭に入れておいてください。
肥満傾向のペットに最も多いのは関節炎で、肥満犬の約8割が発症しています。猫の場合も肥満は関節炎の原因になります。メカニズムははっきりしていないのですが、関節に過度な重みがかかり続けてしまうことや、脂肪細胞から発生するホルモンなどが軟骨を分解してしまうためだと考えられています。そのほかにも肥満は、糖尿病や心臓疾患、泌尿器疾患などのさまざまな病気を引き起こす一因になります。
家族同然に暮らしているペットの健康のためにも、日々の体形チェックは欠かせません。肥満にさせないような食事や生活習慣にも、気を配ってくださいね。
設問カテゴリ
家庭で健康管理食事で健康管理
関連性のある相談
- 冬にかかりがちな病気や、それを予防するためにどんなことができるのか教えてください
- あたたかな場所で過ごす上での気をつけるべきことやアドバイスを教えてください。
- 猫にも加湿器は必要ですか?
- 猫の肥満について知りたいです。
- ご飯のおねだりが止まらない時はどうすればいいですか?
- 猫はシニアになると寒さに弱くなるのでしょうか?
- 季節の変わり目は食欲にも影響するのでしょうか?
- 猫の寿命はどのくらいなの? 猫が長生きするために、気をつけることは?
- 食事の回数と適量は?
- 猫の花粉症に注意
- 暑い時は、猫に冷たい水や食べ物をあげたほうがいいの?
- 猫の認知症を防ぐにはどうしたらいいの?
- キャットフードを選ぶ時のポイントを教えてください。
- 急なけがや病気の時の応急処置の方法を教えてください。
- 猫が危険なものを食べてしまったら、どうしたらいいの?
回答者のプロフィール
Team HOPE Founder、犬山動物総合医療センター代表
太田亟慈(じょうじ)
一般社団法人Team HOPE Founder、犬山動物総合医療センター代表 獣医師 獣医学博士 D.V.M. Ph.D 動物病院業界も大きく変わり、獣医療も日進月歩の速さで進んでいます。 動物たちが「健康で美しく長生きできる社会」を目指して、 医療だけではなく様々な形で社会に貢献したいと考えております。