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ペットの健康コラム

 ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(76)
春には愛犬のフィラリア予防を

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第76回目が掲載されました。  

Team HOPE中部地区、動物医療センターもりやま犬と猫の病院院長 浅井亮太 がお伝えします。 

 

 3月に入って少しずつ暖かくなり、桜のきれいな季節がやってきます。毎年この時期になると、犬の飼い主さんからフィラリア症についての質問をよく受けます。今回は、フィラリア症の予防についてお話ししたいと思います。
 フィラリア症とは、犬の体内にイヌフィラリアという寄生虫が入り、成長した虫が心臓や肺の動脈にすみついてしまうことで、犬の体をむしばんでいく恐ろしい病気です。
 感染経路について説明しましょう。まず、蚊がフィラリア症に感染した犬の血液を吸います。その際、血液中の子虫(ミクロフィラリア)が蚊の体内へと取り込まれ、そこで脱皮することで、感染能力を持った幼虫へと成長します。蚊は吸血にストローのような形の器官を使いますね。幼虫はその器官に移動し、蚊が犬の血を吸うときに犬の体の中へ侵入するのです。
 しかし、幼虫に侵入されたからといって、すぐ犬の体調に変化が出るわけではありません。飼い主が気づかないうちに病気が進行してしまうことも少なくないのです。気づいたときには、心臓や肺の血管が傷ついてしまっていたということもあります。
 予防や検査をしていない場合、犬が乾いたせきをしていたり、運動をいやがったりしたときには、感染を疑う必要があります。これらは比較的軽い症状ですが、重症化すると、腎臓や肝臓の働きに影響が出ることもあります。
 フィラリア症は予防薬で防ぐことができます。予防薬には、首の後ろなどに滴下するスポットタイプや注射薬、内服薬(錠剤タイプ、顆粒(かりゅう)タイプ、チュアブルタイプ)などがあります。獣医師と相談して飼い主さんが確実に投薬できる方法で、フィラリア症から守ってあげてください。
 (チームホープ、動物医療センターもりやま犬と猫の病院 浅井亮太)

 (産経新聞 平成30年3月16日付)