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ペットの健康コラム

ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(49)
動物も歯が命 

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第49回目が掲載されました。
Team HOPE北海道地区、北光犬猫病院 院長 立花徹 がお伝えします。

  ペットの高齢化が進む中で、健康上、特に大きな問題になっているのが歯牙疾患です。人間も「歯が命」といわれているほどですが、動物の場合は歯石がどの程度付着しているかが重要な要素です。

 歯石が付着すると口腔(こうくう)内の衛生は極めて悪化し、口臭、よだれがひどくなってきます。そのペットに人が口や鼻をなめられることで、感染が起こることさえあります。

 歯石をなるべく付着させないことが大切ですが、犬、猫の歯を磨ける人は非常に少ないでしょう。また、歯石除去は動物の場合、全身麻酔が必要となります。歯磨きの問題、麻酔の問題、この2つの問題が病気予防の大きなハードルになっています。

 歯石は口腔内の細菌増殖の原因となり、歯周病が始まります。やがて歯槽膿漏(のうろう)になり、それが進むと下顎骨に骨折が生じることも。また、上顎骨は頰の部分(目の下)にまで口腔内の細菌が浸潤し、膿がたまることもあります。

 この炎症が鼻腔(びくう)内にまで広がると、くしゃみや鼻汁、鼻出血などの鼻炎症状が始まります。歯肉が後退し、骨が溶けていくと上顎犬歯が抜け落ちて口と鼻がつながってしまいます。すると、フードを食べたときに口から鼻に抜け、鼻腔から出てくることもあります。

 さらに、歯周病を放置すると心臓弁膜症や腎臓病など全身のさまざまな病気の原因にもなります。

 まずは悪化させないように毎日のケアから始めることが重要です。歯石は定期的な除去が大切ですが、年齢や病気などで、除去できなくなる場合もあります。最近は歯周病予防にさまざまな医薬品や予防グッズも増えてきました。口臭が気になったら、近くの動物病院に早めに相談してみてはいかがでしょう。

(チームホープ、北光犬猫病院 院長 立花徹)

  (産経新聞 平成29年9月1日付)