ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(48)
運動を嫌がると要注意
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第47回目が掲載されました。
Team HOPE北海道地区、北光犬猫病院 院長 立花徹 がお伝えします。
動物は言葉を話せませんから、動きたがらない時は、ただ単に嫌がっているのか、何かしら疾患があって動かないのか、考える必要があるかもしれません。病気の可能性がある場合には「痛み」「息苦しさ」「だるさ」が存在する場合が多く見受けられます。
犬の場合、家族が帰ってきても玄関に迎えに来なくなったり、喜んで玄関まで来ても、お愛想程度ですぐおとなしく横になってしまうようであれば、何か問題があると思った方が良いでしょう。
犬は喜んだり、はしゃいだり感情表現が豊かなため、異常がある時は早期に気づくことができますが、猫は物静かで、喜怒哀楽が分かりづらいため、異常を見逃して病気の発見が遅れる恐れがあります。
一般的に、運動量が減ってきた▷寝てばかりいる▷おもちゃで遊ばなくなった▷ソファにジャンプしない▷毛づくろいをしなくなった▷食事やオヤツの時にしか寄ってこない▷体の特定部位をよくなめる―このようなサインがある時は、どこかの痛み、心疾患、呼吸器疾患を抱えている可能性が考えられます。
痛みであれば跛行(はこう)(正常でない歩行)や背湾姿勢で気付くことが一般的です。また、誰も触っていないのに、犬が急に「キャン」と鳴く時は、特に背中や腰の痛みを強く疑います。
心疾患・呼吸器疾患では、元気がないなどの特徴的な症状はありませんが、いつもより動きが鈍い、また、呼吸が荒い時は、何かしら異常があると考えた方がよいでしょう。
年を取ったから動きが悪くなったのだろうと思い込むのも危険です。高齢になっているのであればなおさら積極的に、動物病院で健康診断の実施をお勧めします。
(産経新聞 平成29年8月25日付)