猫の寿命はどのくらいなの? 猫が長生きするために、気をつけることは?
猫の寿命はだいたい13~16歳。猫が高齢になったら、変化を見逃さないようにしてください。猫は、人に例えると、生まれて2年でだいたい24歳ぐらいになります。その後は1年に4〜5歳くらいずつ歳をとるといわれています。シニア猫になったら、できれば年2回、動物病院で健康診断を受けて、健康状態をチェックしましょう。
猫の寿命は延びている
愛猫との暮らしはとても楽しく、いつまでも一緒にいたいと飼い主なら誰でも思います。猫の平均寿命はどれくらいなのか、気になるところですね。
人間と同様に、猫の平均寿命は延びており、現在では13~16歳程度といわれています。
- フードの質が向上し栄養状態がよくなった
- 動物病院の充実と医療技術の発達
- 室内飼育の猫が増えて、交通事故やケンカによるウイルス感染での死亡がかなり減っている
などが理由として挙げられます。外に出る猫より出ない猫の方が寿命は長く、中には20歳以上と驚くほど長生きする猫もいます。
猫の年齢は人間で言うといくつ?
猫は人間と違って年齢を重ねる速度が速く、いつまでも子供のように思っていた愛猫もいつの間にか自分の年齢を超えていってしまいます。そう思うと、あなたの愛猫が人でいうと今何歳なのか、気になりますよね。愛猫の年齢が人でいうとどれくらいなのか、健康管理やフードを選択する上でとても重要なことだと思います。
猫の年齢は、一般にいずれも生後1年くらいで大人(成人)になり、丸2年で人に例えて24歳ぐらいになります。3年目以降は、1年に4~5歳ずつ歳をとります。10歳くらいからシニア猫と呼ばれるようになります。
猫が高齢になったら起こること
腎臓機能の低下
シニア猫になると腎臓機能の低下がみられます。少しずつ食べる量が減ったり、嘔吐が増えたりして痩せていきます。飲水量は増えているのに脱水が進んで尿毒症へと進行すると、命にかかわります。
関節疾患と内分泌疾患
次に、関節疾患と内分泌疾患も多くなります。原因のひとつに、年齢とともに運動量が減っても、食事量は減らすのが難しいことがあります。
変形性関節症と糖尿病は、どちらも飼主さんが愛猫の変化に早く気づくかどうかが大切です。変形性関節症では、行動範囲の変化(高いところへジャンプしなくなった)やスキンシップを嫌がる(痛みの存在)、明らかにグルーミング(毛づくろい)ができていない、などの症状が出ます。糖尿病では飲水量・尿量の増加などの症状が現れます。愛猫の様子をよく観察してみてください。
一方、甲状腺機能亢進症では、過食や活動量の増加(よく鳴く・怒る)など、一見病気とは思えない症状が現れるので、飼主さんが気づけないことがよくあります。このような場合でも、病院で定期的な診察を受けることで早期発見でき、治療を開始できます。
腫瘍
最後に、老齢期はやはり腫瘍が多くなってきます。どの腫瘍にも共通することは、体重減少と外貌の変化です。外から見てわからない腫瘍は、病院での血液検査、レントゲンやエコー検査など、老齢猫になるべく負担をかけない検査で早期発見を目指しましょう。
愛猫の健康を守るために
飼い主さんが愛猫の変化に早く気づくかどうかがとても大切です。そのためには、ある程度の規則的な食事、日頃のスキンシップなどをお勧めします。少しでも変化を感じたら、動物病院に相談してください。
シニア猫には年に2回以上の健康診断をお勧めしています。動物病院では現在の健康状態を確認して、飼い主さんに的確なアドバイスをし、一日でも長く健康でいられるようサポートします。
近年、良質のフードや飼育に関する情報がインターネットなどで容易に手に入るようになりました。加えて獣医療や予防医学の進歩などによって、シニア期がさらに長くなると考えられます。
家族の一員として最後まで穏やかで幸せな毎日を送ることができるよう、愛猫の健康管理に努めましょう。それによって平均寿命が長くなって、飼い主と一緒の楽しい時間が長く続くとうれしいですね。
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宮崎県出身 北里大学卒。
診療モットーは病気の予防、早期発見につとめ、迅速で的確な治療を行うことです。そのために、スタッフ皆と日々努力して全力で取り組んでいます。
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