高齢期の犬に多い病気は?

うちの犬は9歳ですが、健康で長生きをして欲しいです。犬が高齢になったら、どんな病気に注意したらよいですか?(MIX 9歳 ♀) 

高齢の犬に多い病気は、心臓や内分泌(ホルモン)の病気、腫瘍などです。早期に発見できれば小さな負担で治療ができるケースも多いので、定期的に健康診断を受診して、健康状態をチェックしましょう。

 

人間と同じように、犬も高齢になると病気になりやすくなります。高齢期の犬によく見られる病気には、次のようなものがあります。

高齢期の犬によく見られる病気

心臓の病気

第一に注意したいのが、心臓の病気、僧帽弁閉鎖不全症です。僧帽弁閉鎖不全症は、心臓内の僧帽弁という扉がうまく閉まらなくなってしまう病気です。初期の状態では目に見える症状はあまりありませんが、進行するとせきがひどくなったり、呼吸が早くなったりして、運動後などに苦しそうにします。さらに進行すると、肺に水がたまってしまう肺水腫を起こし、命の危険も生じます。

内分泌(ホルモン)の病気

次に注意したいのは、内分泌(ホルモン)の病気です。糖尿病、副腎皮質機能亢進(こうしん)症(クッシング症候群)、甲状腺機能低下症などがあります。

糖尿病は膵臓(すいぞう)から分泌されるインスリンの作用不足による病気です。多飲多尿の症状が多く、病気が進行すると急に元気や食欲が無くなり、白内障を併発したり腎不全などの命に関わる状態になったりします。

クッシング症候群は、腎臓近くにある副腎からホルモンが過剰に分泌される病気です。多飲多尿の症状が出たり、病気が進行すると筋力低下で起立困難や肝機能障害や脱毛を起こしたり、糖尿病を併発することもあります。

甲状腺機能低下症は、冬に重度の低体温症に陥ると命の危険が生じる病気です。

腫瘍

3つめは、腫瘍です。犬にもいろいろな腫瘍の病気があります。触ってしこりを確認しやすいリンパ節や乳腺、皮膚の腫瘍もあれば、胸やおなかの中に発症し、発見が遅れがちな腫瘍もあります。

いずれの病気も早期に発見できれば、小さな負担で治療ができるケースも多いのです。定期的に健康診断を受けて、大切なペットの健康状態をチェックしましょう。

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設問カテゴリ
高齢期
回答者のプロフィール
Team HOPE東北地区 あきたこまつ動物病院院長
小松 亮

秋田県秋田市出身。動物医療サービスを通して地域社会に貢献することを理念に2010年に秋田市で開院し、現在は同市内で2病院運営している。常に動物とその飼主様にとって、より良いご提案が出来るようにスタッフ一丸となって日々の診療に取り組んでいる。