ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(85)
1人暮らしの飼い主は
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第85回目が掲載されました。
Team HOPE北海道地区委員、どうぶつ園通りの動物病院院長 石原創 がお伝えします。
少子高齢化が進み、近年では1人暮らしの方がペットを飼うケースが増えています。ペットはかけがえのないパートナーになってくれますが、まずはしっかり考えてから飼育する動物を選びましょう。
ペットはとてもかわいいですね。しかし、飼育する時間的・経済的な余裕があるかどうか、また飼うことができる環境なのか、いま一度考えてみてください。
ペットにかけてあげられる時間が短い場合や、外出が多い方は、犬よりは猫の方が飼いやすいでしょう。そのほかの動物では、ウサギやハムスターなどは比較的飼育しやすいと思います。しかし、いずれの場合も、その動物の一生の面倒を見るという覚悟で決めてもらいたいです。
さて、犬と暮らすということは「犬中心の生活」になるということです。適度な運動が必要ですから、毎日散歩に出かけなければなりません。また、いたずらで傷つけられて困るようなものを届くところに置かないように注意が必要です。喫煙者なら、たばこや灰皿を置くことも危険につながります。
集合住宅の場合は、ほえ声による近隣住民とのトラブルもよくありますのでしつけが大切になってきます。
猫はきれい好きな動物なので、多くの場合すぐに排泄場所を覚えますが、1日1回のトイレ掃除を徹底することや、安心できる場所に設置することなど配慮が必要です。
また、旅行に行ったり、急に外泊したりすることがあるかもしれないので、ペットホテルや預かってくれる人を見つけておくことも大切です。
仕事から帰宅し、待っていてくれる存在がいることは幸せなことです。かけがえのないパートナーについての知識をしっかり持ち、準備や対策をしてあげてください。
(産経新聞 平成30年5月25日付)