ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(84)
ペットホテルを上手に利用

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第84回目が掲載されました。  
Team HOPE北海道地区委員長、まえたに動物病院院長 前谷茂樹 がお伝えします。 

 これからの行楽シーズン、ペットと一緒にお出かけするのはとても楽しいですね。ただ、どうしてもペットを連れて行けない場合や、病気を抱えているペットではともにお出かけするのが難しい場合もあるかもしれません。

 そんなときに利用していただきたいのがペットホテルです。専門の施設だけでなく、トリミングサロンに併設されたものや動物病院などでも行っています。個室タイプ、ケージタイプなどいろいろバリエーションも豊富で、ペットの性格や料金などを参考にして選ぶといいでしょう。預ける前には、日頃から与えている食事や排泄方法、散歩について、ホテルの担当者としっかりと打ち合わせをしておく必要があります。

 しかし、ペットホテルに預けるには注意しなくてはならないことが3つあります。
 1つ目は、混合ワクチンや狂犬病予防の注射などをしっかり行っていることです。ペットホテルなど動物が多く集まるところでは、ウイルス疾患などを完全に予防するために、予防接種を行っていないと預かってはもらえません。日頃から予防注射をしっかりしておくことが大切です。

 2つ目は、ペットを預けることに慣れておくことです。それぞれのペットに合ったホテルが見つかったら、日頃から少しずつでも預けて、徐々に慣れさせましょう。慣れていないと、いきなり長期間預けたとき強いストレスを受け、体調を崩してしまうことがあります。

 3つ目は、心臓病や発作などの持病がある場合です。この場合にはかかりつけの動物病院としっかり相談したうえで、病院で預かってもらうのが安心です。

 3つの注意点に気をつけて、ペットホテルを上手に利用してください。

   (産経新聞 平成30年5月18日付)