ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(66)
Team HOPE健康診断

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第66回目が掲載されました。  
Team HOPE九州地区、ほっぺ犬猫病院院長 山部剛司 がお伝えします。  

 新しい年が始まりました。ご家族の健康と長寿を願われたと思います。ペットたちも家族の一員として健康で長生きしてほしいものです。こんな思いから全国の獣医師が集まってTeam HOPE(チームホープ)は発足しています。

 ペットもわれわれ人間と同じで、予防医療つまり病気の早期発見、早期治療が大切です。体調が悪いことを、言葉で伝えられないペットは、飼い主が気づいたときには病状が進行しているということも珍しくありません。

 また、ペットの加齢はとても早く、私たちにいつのまにか追いつき追い越し、あっという間にシニア期になっていきます。

 豊かな老後―ではないですが、できるだけ健康寿命を延ばし、家族の一員として健やかに過ごさせたいものです。普段の食欲や元気さ、排(はい)泄(せつ)の様子を気にしていただくことも大切ですが、病気を芽のうちに発見し、摘み取るためには、動物病院での定期的な健康診断をお勧めします。

 Team HOPE健康診断は、全国で初めてペットの健康診断で「検査項目」を統一しました。検査は、問診▷視診▷触診▷聴診▷血液検査▷尿検査▷便検査▷レントゲン―があります。

 基本的な項目を全国で統一することで、健康診断に対する飼い主の不安・不信を払拭し、より受診しやすい環境を整えていきます。

 知ることで、また行動することで防げる、進行を遅らせることのできる病気もあります。全ての病気が分かるわけではなく、百パーセント防ぐ方法もありませんが、声に出さない、我慢強いペットは、深刻な状態になるまで飼い主は病気に気づけないことが多いのです。定期的な健康診断が大切です。


 (産経新聞 平成30年1月5日付)