ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(6)
しつけはコミュニケーション
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第6回目が掲載されました。
Team HOPE関東地区委員長、王禅寺ペットクリニック代表 川瀬英嗣がお伝えします。
犬のしつけを厳しくすることに、「怖い」というイメージを持たれる方もいるかもしれません。
しかし、犬が人間と一緒に暮らすためには、「かみぐせ」や「無駄ぼえ」をやめさせたり、トイレの方法を覚えさせたり、ルールを守らせなければいけません。
しつけについて飼い主の関心が高いことは、動物病院でしつけの相談を受けることが多いことからもうかがえます。大切なのは、「しつけは無理やり人間の言うことを聞かせることではない」ということ。しつけは、飼い主とペットのコミュニケーションだと考えてください。相手は言葉が通じません。うまくできたら褒めることを繰り返し、絆を強めていきましょう。
しつけはいつから始めたらいいのでしょうか? か弱い赤ちゃんの姿を見ていると、「もう少し大きくなってから」と考えてしまいがちですが、「三つ子の魂百まで」というようにスタートは早いほど効果的です。遅くとも、生後6カ月までには始め、続けていくことが大切です。
最初のうちは一生懸命に褒めてあげていても、できるようになった途端に褒めなくなるようでは、コミュニケーションは成立しません。常に、「できる=褒めてもらえる=楽しい」という循環があることを忘れずにいてください。
しつけには、健康管理上の利点もあります。ペットの行動をよく見ることで、体調不良など、ちょっとした異変にもすぐ気付けるからです。チームホープでは、「体重に変化がある」「脱毛がある」など体調や見た目の変化を項目ごとに簡単に確認できるように、「ウェルネスチェックシート」を公表しています。しつけを病気予防にもつなげてください。
(産経新聞 平成28年10月7日付)
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