ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(54)
獣医師と一緒に健康管理 

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第54回目が掲載されました。
Team HOPE九州地区、パル動物病院 院長 西岡賢一 がお伝えします。 

  近年、インターネットの普及により、ペットの飼育や健康面で気になることを検索すると、多くの情報が簡単に手に入るようになっています。
 もちろん有益な情報もありますが、中には誤った情報もあります。誤った情報を元に解決を図ろうとすると病気の進行が進み、手遅れになってしまうことがあります。

 また、一般的には有益な情報であっても、ペットの品種や年齢、性別、そのときの健康状態や生活環境が異なるため、ご自身のペットに適用できるかどうかは、軽々に判断できないことが多いようです。

 実際に、皮膚に赤みが出たというペットのために、インターネットで調べてサプリメントを購入して食べさせ、しばらく自宅で様子を見ていたけれど、悪化したために来院したというケースがありました。
 診断の結果、アトピー性皮膚炎でしたが、ご家族が判断したアレルギーの原因が違っていたため、自宅の治療では治らなかったのです。

 また、ほかのペットでは、片足を引きずっているので、床が滑りやすいためかと判断され、カーペットを替えてしばらく様子を見ていたけれど、病院で診察をすると靱帯の損傷だったということもあります。

 これらは一例ですが、何か気になる点があれば、気軽に獣医師に相談してほしいと思います。ご家族と獣医師が一緒になってペットに最も適した健康チェック、病気の診断を受けることが早期発見・早期治療につながります。大切な家族であるペットの健康管理を獣医師と一緒に行っていきましょう。それにより「ペットとの健康な大切な時間」が、できるだけ長く続くことができるとわれわれは考えています。


  (産経新聞 平成29年10月6日付)