ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(33)
食事の回数と適量は?
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第33回目が掲載されました。
Team HOPE沖縄地区委員 にしざきペットクリニック 大石真寿がお伝えします。
私たちは朝昼晩と1日3食が基本ですよね。では、猫ちゃんたちはどうでしょう? 以前はキャットフードがなくなっていれば補充するような置き餌をしている方が比較的多くいらっしゃいました。最近では朝と晩の2回与えている方が多いかと思います。
置き餌の場合は食べている量が把握できなかったり、季節によってはフードがいたむ場合もありますので、注意してください。基本的に成猫の場合は朝晩の2回でよいかと思います。しかしライフステージや病気の有無、飼育環境によっても与え方が変わりますので、かかりつけの動物病院にご相談ください。
では、食事の適量はどのくらいでしょうか? 猫ちゃんにスリスリされると、たくさん与えたくなりますよね。しかし好きなだけ食べていれば、猫ちゃんでも肥満になってしまいます。丸くて太った猫は確かにかわいらしく見えます。しかし、肥満により糖尿病などの内分泌疾患を引き起こしたり、老猫では関節の負担になったり。
やはり、適切な体重を維持することが大切です。そのためにもまずは適切な食事選びから始めましょう。
子猫には子猫用のフードが必要ですし、成猫用にも避妊去勢した猫用や肥満猫用、室内猫用などさまざまな食事が販売されています。その中から適切なものを選び、パッケージに記載されている量を参考に与えてください。
食事の種類や量などについて、動物病院で相談するほどではないと思われている飼い主さんが多くいらっしゃいます。しかし、適切な食事が健康への第一歩なのです。まずは動物病院に足を運ばれてはいかがでしょうか?
(産経新聞 平成29年4月28日付)