ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(26)
食事のしつけ

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第25回目が掲載されました。
Team HOPE中部地区委員、青山動物病院 青山幸利がお伝えします。

 おうちのワンちゃん、ネコちゃんたちが1日に食べているものを正確に把握できていますか? ドッグフードやキャットフードなどは本来そのフードと水だけで、健康に生活できるように栄養素が考えられて作られています。
 そのため、人の食べ物などを与えると、栄養の偏りや、肥満、病気の原因につながってしまいます。そこで、大切なペットたちを守るために食事に関する約束ごとが3つあります。それは「バランスの取れた食べ物を適切な量で与える」「食事の時間を使ってさまざまなことを教える」「人の食べ物を与えない」です。
 適正量はペットの年齢、生活環境、代謝などによって大きく変わってきます。また、好みもペットによってさまざまです。適正体重や体形のことなどは、かかりつけの病院で聞いてみるとよいでしょう。
 食事の時間は、ペットとコミュニケーションを取るのにとても適しています。一般的なしつけ方法でも、ご褒美として好みの食べ物を使うことが多いです。お皿で与えるだけではなく、その食事を使って楽しくコミュニケーションを取ってみましょう。
 しかし、ここで人の食べ物を与えることはやめましょう。犬や猫たちにとっては毒となり、命を落としてしまう食べ物も多くあります。人が食事をしているときのルールも、ペットの食事時間を利用して教えてあげるようにしましょう。
 人もペットも食事は健康を維持するためにとても大切なものです。いつまでも健康で幸せに暮らしていけるよう、一度、食事について見直してみるのがよいかと思います。 

(産経新聞 平成29年3月3日付)