ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(22)
元気いっぱいに見えても…
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第22回目が掲載されました。
Team HOPE九州地区委員、福岡動物メディカルパークリヴ動物病院 佐藤誠剛がお伝えします。
かわいい子犬の時期が過ぎると、最も活動的で健康的な成犬期に入ります。本当の家族として心をつなぐ時期で、周囲を幸せにしてくれます。アレルギーや免疫の異常などがなければ病気になることは少なく、一見気をつけることも少ないように思えます。
しかし、いくつかの注意すべき点があります。
まず1つめは、道路への飛び出しや、拾い食いによる食中毒など偶発的な事故です。活発で好奇心が旺盛な時期には、こうしたトラブルは少なくありません。残念ながら命を落としてしまうこともあります。
そこで大切になるのがしつけです。つい甘やかしたくなることもあるとは思いますが、命を守るためにはしっかりとしたしつけが欠かせません。
2つめは食生活です。今の日本は「飽食の時代」です。それに伴い、人間と一緒に暮らす犬たちの間でも近年、生活習慣病が増加傾向にあります。人間の食べ物をむやみに与えないことはもちろん、犬専用の「おやつ」も控えた方がいいでしょう。
もう一つ気をつけるのは、成犬期の後半である5~7歳になると病気になることが増えてくることです。
それまで元気いっぱいだった犬が突然、発病し、「病気になるなんて思っていなかった…」とショックを受ける飼い主さんも少なくありません。ちょっとした油断が、手遅れにつながるので注意が必要です。
健康そうに見えても、定期的な健康診断で体の状態をチェックしておくことはとても重要なことだと思います。
(産経新聞 平成29年2月10日付)
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