ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(15)
獣医師と上手にコミュニケーション
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第15回目が掲載されました。
Team HOPE関西地区委員長、エルザ動物医療センター院長 長谷隆司がお伝えします。
動物病院を受診した際、聞きたいことがたくさんあるのに「先生は忙しそうで話しづらい」「診察室を出てから聞けなかったことに気づいた」「分かったような、分からなかったような…」という思いをしたことはありませんか?
診察前には、ペットの様子をよく観察し、聞きたいことを整理してメモにまとめておくことをお勧めします。来院目的をはじめ、薬や処方食など依頼したいこと、相談したいことなどを箇条書きにしておくと、要点を伝えやすくなります。
状況を正確に把握できるメモがあれば、獣医師は効率的に的確な診察をすることができます。一方、飼い主も後から、聞きたかったことを思い出して不安になる心配が少なくなります。
診察室ではまず、獣医師による問診が行われます。その際、飼い主は質問をよく聞いて事実関係を簡潔に答えるのがポイントです。「動物の状態についての事実関係」と「飼い主の考えや思い」は分けて考えてください。
入院や手術をすることになったら、飼い主が不安になるのは当然ですが、そんなときこそ落ちついて説明を聞いてほしいと思います。確認しておくべきことは、現在の病状▷症状の原因▷治療方針▷予後について▷治療費の目安―です。それらを把握し、納得したうえで治療を受けると不安が解消されると思います。
ペットが病気になった際には、かかりつけの獣医師と上手にコミュニケーションを取って、最良の治療が受けられるように心がけたいですね。
(産経新聞 平成28年12月9日付)