ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(13)
冬に備えて
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第13回目が掲載されました。
Team HOPE関西地区委員長、兵庫ペット医療センター院長 有里正夫がお伝えします。
だんだんと冬の足音が聞こえてきましたね。大切なペットと快適な冬を過ごせるよう、早めの冬支度を始めましょう。
特に、心臓病や腎臓病・関節の病気を持っている犬にとって、冬は厳しい季節です。また、パルボウイルスやジステンパーウイルスなどの感染症が流行する時期でもありますので、動物病院で早めにワクチン接種をしましょう。
アレルギー性皮膚炎など皮膚が敏感な犬や呼吸器の弱い犬は、ダニやカビ、ほこりが苦手です。ほこりなどを吸い込ませないよう、エアコンのフィルター掃除は忘れないでください。保湿機や保湿用のスプレーなどを用意しておくのもいいですね。
また、年末年始には飼い主が飲食を楽しむ機会が多くなります。与えてはいけない食材やお酒を口にし、動物病院に駆け込んでくる犬が増えるので、くれぐれも注意してください。
犬の場合、冬は体温を維持するために基礎代謝が高くなります。自然と食欲も出て、食事の量が増える傾向にあります。欲しがるだけ食事を与えず、いつもの量をキープして体重が増え過ぎないように注意しましょう。
散歩は肥満予防の観点から非常に重要です。寒い季節には、飼い主も外に出るのがおっくうになってしまいます。でも、散歩をしないと犬の体重はどんどん増えてしまいます。
寒い冬でも、犬の楽しみは大好きな飼い主と一緒に遊ぶこと。飼い主の健康維持にも役立ちますので、風邪を引かないよう、しっかりと防寒対策をして積極的に散歩に出かけてくださいね。
(産経新聞 平成28年11月25日付)