ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(12)
動物病院デビュー
毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第12回目が掲載されました。
Team HOPE関西地区委員長、兵庫ペット医療センター院長 有里正夫がお伝えします。
子犬を飼うことを決め、家にやってきたら、わくわくしてすぐにお出かけをしたくなるかもしれません。しかし、まずはのんびり過ごしましょう。生活環境の変化から体調を崩すことがあるので、睡眠時間を十分に取らせ、新しい環境に慣れさせてください。1週間ほどしたら、健康診断のために動物病院へ行くことをお勧めします。
子犬は車に酔うことが多いので、食事直後に連れてくるのは避けたほうが無難です。検査に尿が必要な場合、ペットシーツにしみこんだ尿ではなく、紙コップなどで採尿したうえで、密閉できる容器に入れて持参してください。
病院の受付では、生年月日や接種したワクチンの種類などをお尋ねします。この時、受付カウンターに犬を乗せないでください。受付の人に、おしっこをかけてしまう場合があるためです。
待合室では、飼い主同士で情報交換などをすると楽しいですよ。犬同士のけんかを心配される方も多いようですが、犬も病院の雰囲気に緊張しており、けんかの余裕はないようです。
診察室では、獣医師が自宅での様子や食事の内容、排便や排尿の回数などを尋ねます。あらかじめ、記録しておくといいですね。
最初の健康診断では、先天的疾患の有無や、心臓、頭部、股関節などの異常、寄生虫はいないかなどを調べます。結果を見ながら、今後の飼育のアドバイスや、必要な場合は治療や予防法についても説明します。
初めて動物病院を受診したペットが、その時間を楽しめたのか、緊張したのか、観察するのも面白いものです。家とは違った一面が発見できるかもしれませんよ。
(産経新聞 平成28年11月18日付)
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