そらくん、アメリちゃん&カヌレくん

お兄ちゃん猫のそらくん、3歳年下のきょうだい・アメリちゃんとカヌレくん。
仲良し3にゃんのインスタグラムはたくさんのフォロワーを集めていて、書籍やカレンダーも発売されるほどの人気ぶりです。 「夢は3頭の成人式です!」という飼い主のりえさんに、3頭との暮らしや、健康について気をつけていること、健康診断などについて、お話をうかがいました。

そらくん

2014年生まれの男の子。
ヒモ遊びが大好きで特技はでんぐり返し。 穏やかな甘えん坊で、人が大好きな優しい男の子だが、 なぜかりえさんの愛娘つむぎちゃんとは距離を置いている。

アメリちゃん

2017年生まれの女の子。
活発で誰よりも元気に遊ぶ。猫じゃらしとビーム系のおもちゃが大好き。 ふだんはちょっとクールだが、甘えん坊スイッチが入るとすごい。 双子のカヌレくんとは、とても仲良し。

カヌレくん

2017年生まれの男の子。
甘えん坊だが、とことん我が道を行くタイプ。 ネズミのおもちゃで取ってこい遊びをするのが大好き。 知らない人が来ると隠れるほどの人見知りだが、0歳のつむぎちゃんにはつきっきりで、面倒を見てくれている。

 左からアメリちゃん、カヌレくん、そらくん

3頭との出会いと暮らし

最初に、そらくんとの出会いについて教えてください。

夫婦そろって大の猫好きで、結婚して最初に家族に迎えたのが、「みかん」です。でも、みかんは2歳になって間もない頃、心臓発作で突然旅立ってしまいました。 悲しさで前を向けないでいたある日、インスタで繋がっている保護猫活動(預かりボランティアさん)をされている方から「みかんちゃんにそっくりな子を見つけました!」 というメッセージが届いたのです。そこにはみかんそっくりな顔の模様をした小さな白黒の子猫の写真が…。それが、そらでした。

アメリちゃんとカヌレくんとの出会いは?

そらが3歳になったらきょうだいを迎えたいと思い、保護猫の里親募集サイトで探し始めました。なかなか出会うことができず心が折れそうだった時に、開いたページのトップにいたのが、仲良く寄り添うアメリとカヌレだったのです。2頭を見た瞬間、そらと一緒にいる幸せなイメージが頭に浮かんで、「2頭の家族になりたい。幸せにしたい!」そう強く感じました。

3頭と一緒に暮らすようになっていかがですか。

3頭が幸せそうにしている姿を見る時が、何より幸せを感じます。どんなに辛かったり、せかせかしたり、腹が立ったりした日でも、3頭がのんびり幸せそうにしている姿を見ると心が穏やかになります。彼らと生きる全ての瞬間に幸せを感じます。

そこへ、つむぎちゃんも加わりましたね。

もうすぐ生後8カ月になる娘は、3頭を見るたびにニコニコしています。 そんな娘を、ふだんはとっても人見知りのカヌレが受け入れてくれて、毎日娘にすりすりしたり添い寝してくれたり・・・。娘にも猫を大切に愛おしく思える人に成長してもらえたら嬉しいです。

日常生活で健康に気をつけていること

食事で気をつけていることはありますか?

食事やサプリメントは、動物病院で先生にアドバイスしていただいたものを食べたり服用したりしています。3匹とも下部尿路に配慮して、膀胱炎予防のための食事をお取り寄せしています。 アメリとカヌレは、子猫の頃にストルバイト(尿路結石症)や突発性の膀胱炎になったことがあり、アメリはお薬と療法食で改善したのですが、カヌレはなかなか尿の鮮血反応がなくなりませんでした。その後、生まれつき腎臓に小さな石ができやすく出血の反応が起こりやすいことがわかりました。特効薬はなく、お水をたくさん飲んで石が小さいうちに尿で流すことが大事だそうです。ですから、カヌレにはたくさんお水を普段から飲んでもらっています。シリンジで飲むのが好きなので、そうやって飲んでもらうことも。

日常の健康チェックはどのようにしていますか?

毎日、ブラッシングをしながら、異常がないか体を触ってチェックをしています。 「キャットリボン運動」で猫の乳がんのことを知ってから、特にアメリは、抱っこしたりブラッシングしたりするとき、毎回チェックしています。 お口の中は、猫用歯ブラシで歯磨きをしながらチェック。3頭いると大変ですが、夫と手分けして、毎日やっています。

最近は多くの猫ちゃんが完全室内飼いですが、室内の生活環境で注意している点はありますか?

3頭が楽しめるようにキャットウォークや爪研ぎやタワーを置いて、上下の運動を意識したインテリアにしてみたり、3頭好みなベッドや爪研ぎを置いたり、隠れたりこもったりできる場所を作ったり…。猫が幸せに生きられる環境作りを日々探求中です。 他にも、室温や湿度に気を遣うこと。 誤飲や中毒になる可能性のものに3頭が遭遇しない環境作りにも気を使っています。 特にそらは紐が大好きで、カヌレはビニールに目がないので、要注意です。 トイレは、3頭が使いやすいものを追求して、大きなトイレにしました。砂も鉱物系が3頭とも好きだとわかり、全てそのタイプに変えました。トイレの回数や量や色など、普段から気に掛けるようにしています。  

動物病院について

かかりつけの動物病院はどうやって探しましたか?

ネットでいろいろ検索して、ホームページを見て選びました。家から通える病院の中で、一番動物のことを考えてくれそうだと感じたので。

猫は動物病院に連れていくのが大変という話をよく聞きますが、いかがですか?

そらは、動物病院へ行く日はそわそわしたり、車が苦手なので車の中で鳴き続けたりすることはありますが、頑張ったあとは必ずごほうびのおやつをあげています。安心できるようにお気に入りのブランケットもキャリーに入れるようにしています。 アメリとカヌレは2頭一緒だと安心できるようなので、今でも通院時は2頭一緒のキャリーで行きます。くっついて寝てしまうこともよくあります。そらと一緒で頑張った後には必ずご褒美をあげています。 猫ちゃんを病院に連れていくのが難しい場合は、ふだんからキャリーで過ごさせるようにするとか、時々ハーネスやリードをつけてみるとか、慣れさせておくと安心すると思います。

動物病院へはどのくらいの頻度で行きますか?

行く頻度は体調によって変わります。体調が落ち着いている時は、かかりつけの先生に次の来院の時期の目安をアドバイスしていただいたりしています。 小さな異変は飼い主にしか気づけないので、何か感じた時は自己判断せず、空振りでも構わないから連れて行こうと決めています。 3頭の病歴や、やっていただいた処置などは、普段からファイルにまとめておいて、かかりつけの先生がお休みの日や、セカンドオピニオンを受ける際に備えています。

健康診断について

健康診断は受けていますか?

我が家は毎年の恒例行事で一年に一回しっかりと健康診断を受けます。そらもアメリとカヌレも0歳から受けています。 内容は、血液検査と尿検査、触診ですね。尿検査は採れた時に持って行って、検査をしてもらっています。

健康診断を受けるようになったきっかけは?

やはり突然死した先代みかんのことでしょうか。あの時ああしておけば・・と後悔したくない。できることをやってあげたいと思いました。SNSでフォローしあっている猫さんで、健康診断をちゃんと受けている子達がいたことも、影響していると思います。 以前、お世話になった先生が「猫は、異変が出た時には症状が進んでしまっていることが多いので未病のうちに発見してあげることが大切」とおっしゃっていたのがすごく心に残っています。3頭のことも小さな異変にしっかり気づいてあげて、1日でも長く一緒にいられるようにしたいと思っています。夢は3頭の成人式です!

猫オーナーさんも、健康診断を受ける方が少しずつ増えてきていますが、まだ犬より少数派のようです。どうしたら、受けてもらえると思いますか?

言葉を話せないこの子達の小さな異変に気づけるのは飼い主だけ。 特に猫は辛いのを隠すので、症状に気がついた時には体の中で進行してしまっている場合が多いことを、もっと知ってもらいたいです。 定期的に健康診断を受けることで目に見えない変化を数値で知ることができるし、対応もしてあげられる。愛しいこの子達に辛い思いをさせないためにも、1日も長く一緒にいるためにも、健康診断に行くことは大きなメリットがあることを、もっと知ってもらえたら、と思います。 また、猫の健康診断を知らない人も多いと思うので、動物病院から飼い主に向けて、掲示や診察時のご案内を行うことも効果があると思います。

インタビューを終えて

3頭がゼロ歳の時から、健康診断を受けさせているというりえさん。 日頃からボディーチェックを行い、何か異変を感じた時は自己判断せず、空振りでも構わないから動物病院で相談するという姿勢は、素晴らしいですね。猫ちゃんたちが元気に成人式を迎えられるように動物病院がお手伝いできたら、これほど嬉しいことはありません。 猫の健康診断を広めるためには、もっと動物病院側からのアプローチも必要ではないかというご提案は、Team HOPEとしてしっかり受け止め、今後の活動につなげていきたいと考えます。