子猫のしつけはいつ頃から、どんなふうにすればいいの?

元気いっぱいの子猫がいます。手に噛みついたり、ゴミ箱をひっくり返したり、毎日いたずらばかりです。しつけるコツを教えてください。(ブチ 3か月 ♂)

猫は本来縄張りを作って生活する動物です。犬のようにボスの意向を群全体で守るわけではありません。しかし、基本的なしつけは早いほど効果的です。しつけは飼い主とペットのコミュニケーションです。うまく猫との絆を強めていきましょう。

 

猫のしつけは心地よい環境づくりから

猫は部屋の中で自由に動き回ります。犬の場合はケージなど決まった所を自分の安全な居場所としますが、猫は心地よい場所を探してあっちこっち。また、褒めてあげようと手を差し出しても、スルリと逃げてしまします。しかし、猫が人間と一緒に暮らすためには、「かみぐせ」や「いたずら」をやめさせたり、トイレの方法を覚えさせたり、ルールを守らせなければいけません。

しつけについて飼い主の関心が高いことは、動物病院でしつけの相談を受けることが多いことからもうかがえます。大切なのは、「しつけは無理やり人間の言うことを聞かせることではない」ということ。しつけは、飼い主とペットのコミュニケーションだと考えてください。相手は言葉が通じません。

猫の場合は犬のように積極的なコミュニケーションを嫌がる場合も多いので、できるだけ心地よい環境づくりが大切です。常にキレイな水を飲めるようにして、トイレはいつも清潔にしておくこと。また、いたずらされて困るようなものは外に出さないでください。指を噛むのは幼猫が狩の練習をしているのかもしれません。遊ぼうと思って、むやみに目の前でひらひら動かすのは誘っているのと同じです。

猫のしつけはむずかしい

しつけはいつから始めたらいいのでしょうか?可愛い姿に「まだ早いのでは」と思うかもしれません。しかし、一緒に暮らすルールは早めに決めてください。犬のように「お手」や「お座り」など、猫に特定の行為をさせることは難しいと思います。甘噛み予防の薬などを使って指を噛ませないようしたり、爪研ぎで爪をとがせるようにしたり、若いうちに決まった行動を取るように仕向けてください。

犬の場合、人間が少しでも自分に意識を向けてくれるよう行動しています。このため、トイレなどは、上手くできたらオーバーに褒めることでしつけする事ができるとされています。しかしキレイ好きの猫の場合、トイレで困ることはあまりないようです。むしろトイレをこまめに掃除したり、静かで安心できる場所に設置してあげたりするなど、環境を整える事に注力すべきでしょう。

コミュニケーションを取ろうと無理矢理つかまえても、スルリと逃げ出してしまいます。かと思うと、気ままに擦り寄ってくるのも猫の魅力です。相手に合わせて、過度に干渉せず、居心地の良い家づくりをする事が猫と暮らすコツかもしれません。

しつけでペットの健康管理

しつけには、健康管理上の利点もあります。ペットの行動をよく見ることで、体調不良など、ちょっとした異変にもすぐ気付けるからです。しつけを病気予防にもつなげましょう。

Team HOPEでは、「体重に変化がある」「脱毛がある」など体調や見た目の変化を項目ごとに簡単に確認できるように、「ウェルネスチェックシート」(PDF)を公表していますので、ぜひ活用してください。

「ウェルネスチェックシート」(PDF)

設問カテゴリ
しつけとコミュニケーション幼齢期
回答者のプロフィール
Team HOPE関東地区委員長、王禅寺ペットクリニック代表
川瀬 英嗣

Team HOPE関東地区委員長。王禅寺ペットクリニック代表。2000年に川崎市麻生区に王禅寺ペットクリニックを開業。安心して動物との生活を楽しんでいただく地域づくりを目指し、24時間年中無休の診療を行っている。