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ペットの健康コラム

   ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(91)
クレートに慣れさせる

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第91回目が掲載されました。  
Team HOPE東北地区委員、エスティー動物病院院長 佐藤龍也 がお伝えします。 

 平成28年の熊本地震や23年の東日本大震災では、ペットも避難を余儀なくされました。避難先となる車中やペットの受け入れが可能な避難所では、クレート(ケージ)の中で過ごすことになります。

 クレートに入った経験がなかったり、苦手意識を持っていたりする犬は、クレートに入れるとほえ続けるなど周囲に迷惑をかけてしまい、飼い主が困ることになります。そこで万が一に備え、日頃からクレートトレーニングをしておく必要があるのです。

 クレートの適切なサイズは、愛犬が立った状態で横に一回転できる広さで、横扉のあるものを選びましょう。

 次にトレーニング方法ですが、コツは、ご褒美として与えるおやつを使い、「クレートは安全でリラックスできる場所」だと教えていくことです。無理やり押し込み、長時間閉じ込めるようなことは絶対にしてはいけません。

 第1段階は、クレートの扉を開けた状態で中にご褒美を置き、それを食べさせます。怖がって食べない場合には、グレードの高い(おいしい)おやつに変え、ご褒美の位置を手前にずらします。これを繰り返すと自らクレートに入るようになります。

 第2段階は、犬が中に入ったら扉を閉め、おやつをクレートの隙間から入れ、食べたら次を入れることを10回繰り返します。食べ終わったら扉を開けます。徐々にご褒美の数を増やし、与える間隔を空けていき、中にいる時間を長くしていきます。そうすればクレートが落ち着く場所になっているので、外出先でもストレスなく過ごすことができます。

 日常生活やいざというときに愛犬の安心と安全を守るためにも、ぜひチャレンジしてください。

   (産経新聞 平成30年7月6日付)