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ペットの健康コラム

 ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(81)
ゴールデンレトリバーの健康診断

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第81回目が掲載されました。  

Team HOPE九州地区委員、北野動物病院院長 北野吉秋 がお伝えします。

 

 

 

ゴールデンレトリバーは、温和で、同時にやんちゃなその性格から、大型犬の中でも特に人気の犬種です。今回は、愛犬の長生きのため、健康診断の話をします。
 最近では、飼い主さんの意識も向上し、ペットの健康診断で血液検査をする人も増えています。しかし、血液検査だけでは分からない病気もあります。その一つが腫瘍です。ゴールデンレトリバーは遺伝的に悪性腫瘍になりやすいとされ、胸やおなかの中の腫瘍は画像検査でしか見つからないことがあります。
 例えば、脾臓(ひぞう)の血管肉腫。脾臓は免疫や血液の貯蔵に関わる臓器で、多くの血管が通っています。血管肉腫は血管を作る壁の悪性腫瘍で、脾臓腫瘍の中で最も多いものです。初期はほとんど無症状ですが、進行すると破裂しておなかの中で出血したり、止血機能を乱して血栓を作ったり、致命的な症状を起こしてしまいます。転移もしやすく、1年後の生存率は%未満と大変怖い病気です。発生を防ぐことは不可能で、早期発見が一番大切になります。ただし、発見は通常の血液検査だけでは困難で、エックス線や超音波、CT(コンピューター断層撮影)などの画像検査が有効になります。画像検査で脾臓のしこりが見つかった場合、診断や治療のため脾臓摘出手術が行われることがあります。早期発見すれば、無症状の状態で体力に余裕を持って、抗がん剤など次の治療に移行することもできます。
 ゴールデンレトリバーを飼育していく上で、腫瘍の可能性は切り離せません。エックス線検査や超音波検査は基本的に麻酔なしで、負担をなるべくかけずに行うことが可能です。隠れた病気を見つけるために、ぜひとも健康診断に画像検査を追加してもらいたいと思います。
  (チームホープ、北野動物病院院長 北野吉秋)

 (産経新聞 平成30年4月20日付)