ペットと暮らす獣医師からのアドバイス(36)
耳で分かるペットの気持ち

毎週金曜日に産経新聞の生活面に掲載される、Team HOPE獣医師のリレーコラム、第36回目が掲載されました。
Team HOPE関東地区 関内動物クリニック 小澤真希子 同クリニック顧問 牛草貴博 がお伝えします。

 動物の耳はとてもよく動きます。音の方向に耳を向けることでよく聞き取るという役割がありますが、相手に気持ちを伝える働きもあります。耳を観察すると、ペットの気持ちが見えてきます。

 犬の耳は頭に対して外向きで、猫の耳はやや前方に向いています。耳が自然な方向を向いているときはリラックスしているサイン。耳をピンと立てて前に向けているときは集中したり、緊張したりしています。例えば、知らない人が近づいてきたときに耳を立てていたら、緊張のしるしです。

 けんかの場面で耳がピンと立っているのは、攻撃的な気持ちと自信のサインです。犬は耳を前に向けてピンと立て、猫は外側に向け高く立てます。犬も猫も高く立っている方が強気で優勢な証拠。

 一方、耳が下がっている場合は、怖くて弱気になっています。恐怖心が増すにつれて耳は低くなり、最後は頭に貼り付いたようになります。

 けんか以外でも怖いとき、弱気になっているとき、嫌なものから逃れたいという気持ちになっているときなどは耳が下がります。

 犬は服従や甘えのポーズとしても耳を下げるしぐさをします。尻尾を振る、おなかを見せる、相手の顔をペロペロとなめようとする、などの服従のしぐさも同時にすることが多いものです。

 耳を振る、耳を片方だけ下げるなどは、外耳炎や中耳炎などの耳の病気のこともあり、注意が必要です。このようなしぐさが見られたときは動物病院を受診しましょう。

 目は口ほどに物を言うと言いますが、犬や猫では耳が気持ちを代弁していると言えるかもしれませんね。

 

 (産経新聞 平成29年5月26日付)